リョーサン菱洋ホールディングス株式会社様

経営メッセージを全従業員で体現

アワードを通じて交流・賞賛し合い、互いに高め合う組織づくりを

社内イベント アワード 表彰 表彰式 経営統合
リョーサン菱洋ホールディングス株式会社
企画本部 広報部
執行役員 広報部長 田中 葉子 様
德永 裕一 様
青木 友梨恵 様
長倉 佳名子 様
佐伯 茉美 様

デバイス分野とICT分野を事業領域に有するエレクトロニクス商社であるリョーサン菱洋ホールディングス株式会社。同社は株式会社リョーサン(以下、リョーサン)と菱洋エレクトロ株式会社(以下、菱洋エレクトロ)の2社が2024年4月に経営統合し、新たにリョーサン菱洋グループの持株会社として設立されました。

今回お手伝いさせていただいたのは、経営統合直前に菱洋エレクトロで実施した表彰プログラムVALUE and PRIDE Awardの企画と運営です。本プログラムは、菱洋エレクトロのビジョンや大切にしているキーワード「貢献・協働・賞賛」を全従業員で体現する機会。そして今回の表彰式は、従業員の皆様が一堂に会し、経営統合という新しいステージに向かって目線を合わせ、一致団結する場でもありました。

企業の大きなライフイベントを迎えるにあたり、何を大切に、どのような想いでプロジェクトに取り組まれたのか。企画本部 広報部を代表して田中様、德永様にお話を伺います。

写真左:德永 裕一 様
写真右:田中 葉子 様

 

私たちが大切にしている「賞賛」の機会をつくりたい

――VALUE and PRIDE Awardとはどのようなプログラムなのか教えてください。

德永:ビジョンや行動指針を体現しているチームを表彰する制度で、お客様への価値の提供、従業員満足度や会社知名度向上への貢献、チーム力を発揮していることが選考基準となっています。部門ごとにエントリーチームを選出し、従業員投票と役員投票を経て受賞チームを決定するというプロセスになっていて、社内の成功事例を学ぶことはもちろん、従業員同士のコミュニケーションの機会をつくることも目的の一つです。

2022年度に第1回目を開催し、今年で2回目の開催となりました。今回は1,000人規模の会場を借りて、オンライン・オフラインのハイブリッド形式で表彰式を実施。国内外に事業拠点があるため、多くの従業員に参加してもらえるようにしました。

――VALUE and PRIDE Awardを設立したきっかけは何でしたか。

田中:菱洋エレクトロが大切にしている「貢献・協働・賞賛」のうち「賞賛」の機会をつくろうと思ったことがきっかけです。経営統合以前から、私たち広報部には弊社の知名度を上げるというミッションがありました。独自性がある活動や先進的な活動、お客様に新しい価値を提供している従業員の存在を社内外に伝えて、自社の認知度アップやブランディングを図っていたのです。

主な取り組みはプロジェクトの事例化や、良い取り組みがあれば従業員に取材し、その内容を全社へ発信をするというものです。それが評価・賞賛の機会になっていたのですが、「取り上げられると、嬉しいけど恥ずかしい」と、積極的に協力してくれる従業員が多くなかったことが課題でした。

 

德永:菱洋エレクトロはメーカーとお客様の間に入る会社ということもあってか、従業員は皆あまりでしゃばらず、良い言い方をすると紳士淑女な集団という印象です。実際に話を聞くと「自分は黒子ですから…」という従業員がたくさんいます。

商社という業種的に、これまでは黒子になることが善とされていたという背景も影響しているのでしょう。しかし、現在の代表 中村が風土改革に取り組んでからはその考え方が変わりつつあり、黒子に徹するだけではなく、お客様の目線に立って、時には主体的に引っ張っていくような動きをする従業員も増えてきています。

 

田中様:自分だけが目立ちたいという人が少ないことは、良いところでもあるとは思いますが、広報部としては課題でもあるんですよね。仕事で優れた実績を出した従業員に取材しようとしても、「恥ずかしいので」と、断られたり。お客様に新しい価値を提供し、企業として成長し続けていくためには、こういった風土を変革していく必要性があると広報部でも感じていました。

課題解決の方法はないかと考えていたところ「ビジョンや自分たちの大切にしていることを再確認したり、『賞賛』を実践する機会が必要だ。アワードを活用しよう」と声を上げた従業員がいました。最初はその従業員がほぼ一人でアワードを企画してくれ、第1回目の VALUE and PRIDE Awardの開催に至ったんです。

德永:当時はコロナ禍だったためオンラインでの開催で、CGを使った豪華な演出で実施し、良いイベントとなりました。しかし、第1回目を企画した従業員が半年後に退職してしまい、2回目からはその従業員の上司と広報部で担当することになりました。この2回目のVALUE and PRIDE Awardがfulloutさんにサポートいただいた回です。

 

「事業成長を支える風土づくり」「従業員同士の交流・賞賛の機会」

という目的重視の提案をしてくれる企業を探していた

――弊社にお声がけいただいた理由を教えてください。

田中様:私たちは、過去の事例や演出、仕組みありきのイベントではなく「従業員同士が交流し、賞賛し合う」という目的を重視したいと思っていました。目新しい演出や斬新な仕組みは、目的ではなく手段。従業員が交流し賞賛し合い、高め合っていくことが本質なので、その本質を踏まえた提案をしてくれる企業とお話をしたいと考えていたのです。

企業を探す中で、信頼している方からfulloutさんをご紹介いただきました。実際にfulloutさんとお話ししたところ、組織課題やプログラムの全体像を理解し、目的を重視した提案をしてくれたので、私たちの考え方とマッチしていると思い依頼することにしました。fulloutさんの、企業のコミュニケーション活動のひとつとしてイベントがあるという考え方を聞いて、まさに自分たちと同じ考えだなと感じたのを覚えています。

德永: fulloutさんは私たちが実現したいことや組織状況をヒアリングした上で、どのようなコンセプトが良いのか、どのような手法でそれを実現するのがベストなのかを提案してくれました。担当の方は「他社で盛り上がった方法や、過去の事例が今回もマッチするとは限らない。参加者にメッセージを正しく伝えるため、最適解を一緒に考えませんか。」と。このような姿勢が、fulloutさんに依頼した理由です。

 

「何のためにやるのか」常に本質を捉えるのがfulloutの魅力

――弊社に相談して良かったと感じる点はありますか?

田中様:私たちのやりたいことや大切にしていることを整理してもらいながら、イベント前後も含めたシナリオを一緒につくり上げていけたことが良かったです。それから、短い期間で計画的に企画を進めていただいたこともありがたい点でした。

実はイベントまでにあまり時間がなく、ミーティングはトータルで5回程度しか行っていません。スケジュールの制約を鑑みた制作プロセスを設計してくれたことで、短期間でもクオリティの高いイベントにできたと感じています。

 

――ありがとうございます。弊社とプロジェクトを進める中で印象に残ったエピソードがあればお聞かせください。

田中様:担当の方の安定感がとても印象に残っています。時間が無いときでも、できない理由ではなくできる方法を一緒に考えてくれて、私たちを安心させてくれました。プロとしての意識と経験の豊富さを感じましたね。

德永:それから、私たちにとって何が重要かを理解した提案をしてくれたこともfulloutさんならではだと思います。時には「これは不要です」というアドバイスも言ってくれて、私たちや参加者である従業員にとって本当の意味で何が大切か、優先順位を客観的に決めてくれました。

田中様:そうそう、私が最初、会場内に写真映えするスポットを作りたい!と言って。たくさんバルーンのついたフォトスポットを用意して、従業員が楽しめればと思っていました。しかし、飾り付けにこだわるとキリがなく、準備の時間や様々な制約もある。fulloutさんと話す中で優先度を整理することができ、最終的に違うかたちで実施しました。これは正しい判断だったと思います。従業員がイベントに期待していたのは、社長のメッセージやエントリーチームの取り組み、仲間を知ることのできるインタビューなどコンテンツの部分で、演出ではありませんでした。fulloutさんは私たちに「VALUE and PRIDE Awardは何のためにやるのでしたっけ?」と都度問いかけてくれ、大切にすべきことを何度も思い出させてくれました。この点にとても感謝しています。

德永:私は「演出や仕組みを検討するのは、イベントの土台ができてから。広報の皆さんは、ハード面よりソフト面のことを考えてください」と言ってくれたことが強く記憶に残っています。私たちがやりたい、やるべきことはショーではなくコミュニケーションの場をつくること。イベントの華やかさだけに着目するのではなく、参加者に何を伝えるかを考えるべきだと、この言葉で改めて気付かされました。

 

大切にしている「貢献・協働・賞賛」を全従業員で体現

VALUE and PRIDE Awardの目的を無事達成

――表彰式当日の様子や効果はいかがでしたか。

德永:開催が近づく中で多くの人が動いていることを実感し、いかに大規模な会であるかが身に染みました。fulloutさんからは20名ほどのスタッフの方にご協力いただきましたし、弊社の従業員も運営に加わってもらったので、私たち広報部のモチベーションも自然と上がりましたね。

田中様:従業員に「リアルの場に集まって互いに賞賛することの意義」を感じてもらうことも VALUE and PRIDE Awardの目的でした。

リモートで働くことが増え、従業員同士が対面でコミュニケーションをとる機会が少なくなっていたこともあり、会場に来ることはもちろん、イベント運営自体が交流の場にもなれば理想的だと考えていたのです。そのため、なるべく従業員に関わってもらい、特に若手を中心にMCや受付、誘導などをやってもらいました。 アワードをいいものにしようと、積極的に取り組んでもらえたことには感謝しています。

 

德永:オンラインで視聴していた従業員には、「来年は会場に行きたい」と思ってもらえるイベントにすることも目標の一つでしたね。登壇者がいる舞台だけでなく待機している受賞者や客席などもカメラで映して、会場の雰囲気がオンライン参加の従業員に伝わるようにしました。

田中様:従業員からは「社内の取り組みや仲間の想いを知る機会になった」「受賞チームのプレゼンを皆で聞き、受け止めることで、『賞賛』を体現していた」など前向きな意見をたくさんもらえました。このような結果を得られたのは協力してくれた従業員、そして VALUE and PRIDE Awardの本当の目的を理解し、提案・サポートしてくれた fulloutさんのご尽力あってのことだと思います。来年も fulloutさんにご協力いただき、VALUE and PRIDE Awardを実施する予定です。

――ぜひご協力させてください!次回に向けた改善点はありますか。

田中様:もう少し時間をかけて準備をしたかったという気持ちがあります。fulloutさんに相談して契約を結んだのがイベント開催日の3カ月ほど前だったので、かなりタイトなスケジュールになってしまいました。次回は余裕を持って準備に取り掛かろうと考えています。他には選考における公平さも見直したい部分です。従業員投票と役員投票によって受賞チームを決めていますが、営業部門に票が入りやすいという意見があったり、投票結果の開示方法など、公平さや納得感を与えられる仕組みを立案することも必要だと思っています。これらの点もfulloutさんに相談しながら改善していきたいです。

 

成功体験を共有し、シナジー創出を加速させる仕組みとして、

VALUE and PRIDE Awardを活用していく

――少し話は変わりますが、経営統合に関するお話をお聞かせください。経営統合後、社内での変化はありますか。

田中様:経営統合したのが2024年4月のことで、現状は双方の従業員がお互いのことを理解し合うような、異文化コミュニケーション中という雰囲気です。

同業ではありますが、やはり企業文化や考え方などには違いがあり、今後グループとして一緒に活動していくためにはより深い相互理解が必要だと感じています。

 

 

――今後のVALUE and PRIDE Awardでは、どのようなことが目標になるとお考えですか。

田中様:これから考えるべきことがたくさんありますが、プログラムのコンセプト自体は大きく変えない予定です。経営統合しビジョンと行動指針を再策定したのですが、中村と稲葉という2人の社長が話し合う中で、元々菱洋エレクトロが掲げてきた「貢献・協働・賞賛」がグループの行動指針になりました。今後は、従業員が新しいビジョンや行動指針への理解を深めたり、良い取り組みを共有し、賞賛し合う機会にしていきます。

また、グループ内の成功体験を共有することで、他の従業員がお客様に新しい提案をする切り口にもなるでしょう。そうすれば新たな価値の創造や、お客様満足度の向上にもつながると思います。良い取り組みや成功体験を共有し合い、シナジー創出を加速させる。それらをコミュニケーションによってレベルアップさせていく機会として、これからも VALUE and PRIDE Awardを続けていきたいです。

德永様:チャレンジしている従業員の存在を知ってもらい、そのチャレンジを自分ごととして捉え、自分の仕事に活かす機会にしてもらえると理想的です。「仲間がこれだけ頑張っているんだ」「自分の仕事にも活かせることはないか」と思ってもらう。それによりリョーサン菱洋グループの価値が高まり、経営統合した意義が一つ生まれると期待しています。

 

――弊社のサービスはどのような企業におすすめでしょうか。また、今後弊社に期待することをお聞かせください。

田中様:業種問わず、「コミュニケーションに課題はあるけれど、何をすればいいのかうまく言語化できない」という企業におすすめです。fulloutさんは情報を細かくヒアリングし、整理し、体系化してくれます。弊社の場合はイベントというかたちでしたが、別の方法での提案もしてもらえるので、「情報を整理できていない、課題がわからない」という段階で相談しても良いと思います。また、最初の打ち合わせのときに双方の目線合わせをしっかりやってくれるので、企画者も参加者も満足度の高いコミュニケーションプランニングができるでしょう。

德永:外部環境も内部環境も、常に変化して います。企業として成長し続けるために本質的なコミュニケーションが不可欠ですが、課題を抱えている企業は多いと思います。特に大企業は、経営メッセージを従業員に直接伝えられていなかったり 、交流をする機会も少なくなりがちではないでしょうか。このようなコミュニケーションの課題を解決したいと考えている企業の相談相手として fulloutさんは最適です。

田中様:引き続き、VALUE and PRIDE Awardのあるべき姿や、グループ全体の組織づくりについて一緒に考えていけると嬉しいです。