変な商社株式会社様

皆で同じ未来を描いて“変化・進化”を生み出す、強い組織へ

変な商社株式会社

代表取締役 / ホ ヨンジュ様

ツーリズム商事事業責任者 / 高橋 啓様

ツーリズム・貿易・飲食の3事業を核に、世の中に変化を生み出し世界の新しい価値創造に貢献する、変な商社株式会社。創業5年目を迎えさらなる成長に向かう今、
ミッション・ビジョンを再策定し、リーダー層・経営層間のコミュニケーションの土壌を作るべく、リーダー合宿を実施。そのプログラム設計をお手伝いさせていただきました。
どのような想いで合宿の開催を決め、今回築いた文化を糧にこれから何に挑戦していくのか。
代表取締役のホ ヨンジュ様とツーリズム商事事業責任者の高橋様に伺います。

 

“人”を武器に、世の中に変化・進化をもたらす存在であり続けたい

――まずは、変な商社さんの事業内容について教えてください。

ビジネスの柱は、大きく3つあります。
まず1つ目が、ツーリズム商事事業。ホテルや旅館、ゲストハウスなどの宿泊事業者に向けた、家電・家具・備品の提案から納入までをワンストップで提供することと、ハウステンボスやラグーナテンボスといったテーマパークで行われるイベント向けのオリジナル商品の企画・販売を主に行っています。
2つ目はグローバル商事事業で、HISグループのグローバルネットワークを活かして、世界中のものを日本国内に流通させたり、日本製品の海外進出をお手伝いする貿易を主軸とした事業です。コロナ禍で人が動けない中でも、“もの”は動くので、私たちが窓口となって世界の素晴らしい商品を代理店として販売しています。
そして3つ目が、飲食事業ですね。業務で忙しいHIS社員の方々に、憩いとコミュニケーションの場を提供したいという想いで、社内カフェテリアの運営を行っています。

――幅広い事業を手がけられているのですね。創業の経緯はどのようなものだったのでしょうか。

ホ様:原点となったのは、兵役の経験です。韓国出身と言うと「若くして軍隊に入って、辛くなかったのですか?」とよく聞かれますが、私はとても良い経験だったと前向きに捉えています。

日々どのような訓練に取り組むにもミッションが与えられ、その達成を繰り返す。そんな経験の中で、目標をクリアした時のやりがいを知り、自分の人生にも目標がないとつまらないと考えるようになりました。そこで「1年後にやりたいことができる会社に入り、5年後には海外にいく。10年後、起業する。15年後以降は更に資金を集めてより大きなビジネスをやる」と人生計画を手帳に書き留め、その実現に向け行動を始めたのです。

まずはHISに入社し、海外支店展開の流れに乗って4年目にタイに転勤。海外に出るという目標をクリアし、現地では会社設立から採用、営業など様々なことを勉強しました。やがて入社7年が経った頃、ここからどのような事業を立ち上げようかと考えていた折に、澤田経営道場1期生の募集が始まって。ここで2年間起業に向けて勉強すれば、10年内に目標が達成できるだろうと飛び込みました。
最終的には、道場で得た知識や経験を活かしてちょうど10年目の誕生日に変な商社を立ち上げ、目標を達成することができました。
※澤田経営道場は、HISグループの澤田会長が理事長をしている次世代の経営人材・政治家を育成する公益財団です。

――高橋さんは、どのような経緯でジョインされたのですか?

高橋様:当初はHISグループではなく競合会社でホテル向けの物販事業に携わっていたのですが、やがて企業経営を学びたいという思いが生まれ、ホさんも学ばれた澤田経営道場に4期生として入りました。
座学・実地研修に取り組む中、自分のやりたいことが次第に明確になっていったのですが、なかなかそれを叶えられる環境を見出すことができず、どのようにキャリアを築いていくべきか悩んでいて。
そんな折、道場の内定者説明会で出会って以来のホさんと再会する機会があり、近況報告をしつつ、ホさんからも会社として目指す方向性や中長期で実現したいことなどをお話しいただいたんですよね。
そこから何度かお話しする機会を重ねる中で、「やりたいと思っていることを、変な商社として全力で応援する」というお言葉をいただいたことがきっかけになり、ジョインしました。

ホ様:当時はまだツーリズム商事事業という名前もなくアメニティ事業として始めたばかりで、この事業を盛り上げていきたいという想いが強くあったので、前職で同じ業界にいた経験者である彼に、どうしても仲間になって欲しかったんです。「ぜひ一緒に我々の道をつくって欲しい」と口説いて、入社を決めてもらいました。

高橋様:最初は、経営企画を担当して経営を学ばせていただこうと入社したので、お客様との商談をするつもりは全くありませんでした。

ただ、ホさんが実直に経営やお客様に向き合う姿を見て、自分の過去の経験と重ねながら
「自分だったらこういう商品をお客様にご紹介したい」という熱い想いが込み上げてきたんです。
そこから徐々に現場の方にも出始め、経営企画として事業計画を作りながら、営業にも取り組ませていただいています。

――社長の熱い想いが伝わって、心強い仲間が加わってくれたのですね。
お二人それぞれのお立場から、この会社の強みや魅力をどのように捉えていらっしゃいますか?
高橋様:まずは、お客様にご提案できることの自由度や柔軟性の高さですね。自分のアイディア一つあれば、様々なプレイヤーを巻き込んで面白いことを実現できますし、会社もそれを応援してくれる。
そんなのびのびやれる土壌が魅力ですし、またそれが成果につながった時に、他の会社では得られないような大きな自己成長ができる場だと思っています。
ホ様:私はやはり、人かなと思います。変な商社スタッフには、祖父がガンで亡くなったことがきっかけで、医療ツーリズムの重要性に気付き、前職で事業を進めていたスタッフがいます。コロナ禍初期は、彼女の医療におけるノウハウや知識があったおかげで、日本中で不足していたマスクや消毒液などを緊急で仕入れ、必要としている方たちに提供し、命に貢献する仕事が出来たのです。今までの経験を存分に活かし、会社に大きなパワーを与えてくれました。高橋は、出身地である東北地方に雇用を生み出し、地域を活性化させられるようなスキーリゾートを作りたいという地方創生の夢を持っています。
変な商社を上場させ、その夢を必ず成功させようという明確な目的や理由を持って、仕事に邁進するその姿は、周囲に大きな刺激と影響を与えています。こういった社員のやりたいことを実現するためにも、まずは私たちができることにしっかり向き合い、5年後、10年後により大きな会社になっていようと取り組んでいるところです。
結局、私たちが今やっていることは全て“人”から生まれているので、この“人”の想いの強さが強みだと思いますし、そんな想いやチャレンジをサポートしていける会社でありたいなと思っています。

――社員の「やりたい」に対する後押しが、文化として根付いているという感覚でしょうか?
ホ様:事業をやるには仲間が必要ですから、一人ひとりがモチベーション高くやりたいことをやれる環境を提供していきたいという想いがあります。まずは会社が求めること、自分たちがやらなければいけないことをしっかりやって。その先で「やりたい」が事業として成立するか、会社の方向性と合うのかをリーダーたちと共に判断し、一緒にチャレンジするような文化になっています。

――グロース段階にある企業においては、理想追求ばかりでなく足元を固めていかなければいけない側面もある。
その中でも、社員が実現したいことに耳を傾け、会社の考えと一人ひとりの想いの合致を意識した舵取りをされているのですね。


ホ様:やはり理想と現実のバランスが大切なのだと思います。理想を言えば、皆にやりたいことをやってほしいし、皆に幸せになってほしい。
ですが、その前に私たちが存続できるかの勝負ですよね。ベンチャー企業というのは、まず目の前の売上・利益がない限り仲間を増やせませんし、やりたいこともできませんから。そもそも会社として利益が出せずに、仲間たちを退職させなければいけないようなことが絶対にないような仕組みが必要だと思っています。

時代は変化しますし、予想もしていなかったような問題も必ず起きます。昨今のコロナ禍も、2年前には誰も予想していなかったでしょう。
ですが、それに気がついて早く動くことができる会社は何が起きても勝ち残れるはずですから、皆がそういった行動をとれる無敵な組織をつくっていきたいですね。

成長期の今、改めて全員で自分たちの存在価値を見つめ直す

 

――今回リーダー合宿を実施されたきっかけは、どのようなものでしたか?

ホ様:この合宿は、高橋が強い想いを持って提案してくれたところから生まれたので、ぜひ彼から。

高橋様:もともと、リーダーと代表との間では核となる考えが共有されていて、各事業部や各組織がそれぞれにやるべきことを実践していたのですが、その結果、縦割りの組織になってしまっていました。
「自分たちの」事業、「自分たちの」数字、「自分たちの」目標、「自分たちの」ビジョン。まだこの規模のベンチャー企業でありながら、経営リソースや個々のメンバーの考え方がバラバラになっていたんですよね。
今の3事業を成長させ、また新たに事業を立ち上げていく中で、顧客に求められマーケットで勝ち残るためには、もっと皆が共有しやすく同じ未来を描けるような共通の指針が必要になるはずです。

またそれをつくる場として個別に話をするのではなく、全員で今の課題を認識して「What:課題に対して全社ですべきこと」を作り、「How:そのために各事業がすべきこと」を落とし込むことが不可欠だという想いが背景にありました。
加えて、リーダー同士やリーダーと経営側とのコミュニケーションが、回数や密度の面で形式化していることも課題として感じていたので、合宿という形で濃密な時間をしっかり作り、それぞれが普段思っていることや溜め込んでいるものを吐き出せる場をつくりたいなと。今後このまま新しい仲間が加わっていけば、より縦割り感は強くなり、リーダーたちも自組織を優先する目線になっていくでしょうから、会社全体で今後の方向性をしっかり確認する、ある意味最後の機会だと思って提案しました。

――社員が20名弱の今このタイミングだからこそ、しっかりと時間を作って向き合っておくべきだと思われたのですね。提案を受けてホさんはどのような印象を受けましたか?

ホ様:高橋の言う通り、横の連携が取れていないことは課題としてありましたし、企業の成長において問題は起きて当たり前で、それをどうやって解決するかが大切になると思うので、フラットな環境でお互いに言い合える組織をつくるためにもそのような場を設けたいなと、率直に思いました。

また今後10年の計画として「5年後に上場しよう、10年後には業界No.1になろう」と掲げていたのですが、上場することで皆が本当に幸せになるかというと、必ずしもそうではありません。
株主のために我々の「やりたい」ができなくなる可能性もありますし、「やりたい」を実現するスピードも落ちてきます。他の企業でも、上場を機に創業メンバーが皆辞めていったという例もありますよね。
そう考えると、上場を「目標」とするのは危ないなと。上場はあくまで資金調達という通過点で、そこに価値を見出すのではなく「社員と会社、自分たちの存在価値=ミッション・ビジョン」を定めようと考えるようになりました。
当時もミッション・ビジョンはHPに載せていましたが、それはまだメンバーが3名だった頃に考えたものなので、仲間が増えた今の会社に合わせた変化・進化が必要です。リーダーが7人になった今、もう一度皆で私たちの存在価値や信念を考えたい。その場として、高橋からの提案はいいなと思えました。

――リーダー層と経営層の課題感が一致して合宿の実施が決まったということですが、社内完結ではなくfulloutにご依頼をいただいたのは、なぜだったのでしょうか。

高橋様:社内プロジェクトにすると、やはり社内のピラミッドを意識した意見しか出ないだろうと思ったんです。それは他のリーダーも危惧するところだったので、役職や立場をフラットにして「このメンバーで、より良い“変な商社”をつくり上げていこう」と目線を揃えるためにも、外部の方に客観的なファシリテーションをお願いすることにしました。

――実際に合宿を実施されてみて、感触としてはいかがでしたか?率直な想いをお聞かせください。

高橋様:狙い通りの結果になったと思っていますし、合宿を終えて1ヶ月ほどで、明らかにリーダー陣の関係性がよくなったことを実感しています。他のリーダーからも、本当にやってよかったという声が多数ありました。

具体的には、事業の垣根を超えて「こういう事業をやっていこうよ」と横の話をしたり、どこかの組織が直面した課題を周りに共有したりと、共通のビジョンに対して横のコミュニケーションが生まれてきています。
また月に一度はリーダーたちが集まって食事をして、弱みや悩みを互いに共有してアドバイスし合う文化も生まれ、まとまりができたように感じています。
やはり、合宿で本音をぶつけ合えたことが良かったのかなと思うんですよね。おそらく聞いていて耳が痛い言葉もたくさんあったと思いますが、言えずにいた本音を互いに伝えられたことで、お互いに対する安心感や、心理的安全のようなものができたかなと振り返ります。

ホ様:ビジネスにおいても継続性のないモデルは成立し難いものですが、それと同様に、組織づくりにおいても継続性が重要だと思っていて。このリーダー合宿が、一度きりのイベントで終わってしまったら悲しいなという思いがありました。
ですが、リーダーたちが今回の合宿をきっかけに「継続していきたいので、月に1度集まりましょう」と自発的に動いてくれて、この変化が私としてはとても嬉しかったです。
人間は忘れてしまうものですから、継続的にお互いの今やっていることを確認してフラットに意見を言い合い、決めたことを守る、というサイクルを大切にしていけたらと思っています。

 

自分たちならではの強みを拡大し、差別化された価値をお客様へ

――今回の合宿に手応えを感じられつつも、あくまでスタートだと捉えられているのですね。今回生まれた文化や関係性を糧にどのようなところを目指していくのか、今後の展望をお聞かせください

高橋様:「変な商社の価値とは何か」という問いに対して、これまではお客様からの依頼をベースにした挑戦や事業が答えになることが正直多かったと思いますが、今回その価値を改めて自分たちで見つめ直して、言語化できたことが一番の成果だったと思っています。

もともと私たちのコアであった「変化・進化」という概念を一度疑い、やはり自分たちの強みになるワードだと再確認できましたし、その変化・進化の先で目指す共通のゴールも掲げられたので、今後全員で納得して同じ未来を目指していけるはずです。また「今後競合を意識し、差別化された価値をお客様に提供するために必要なこと」を共有し、将来につながる事業のアイデアも生まれたので、これから各組織でそれを事業化して実行できるレベルに高め、変な商社の強みとして拡大していければと思います。

――ありがとうございます。ホさんからもお願いいたします。

ホ様:競合他社と類似したビジネスモデルで「同じものを仕入れてより安く提供する」方法ではこの先通用しなくなってしまう、という課題感が皆の共通認識だったことを確認し、「付加価値ある商品をどうやって提供していくか」を皆で考えられたことで、今後やるべきことが明確になりました。
例えば、昨今世の中の潮流が「B to B」中心から「B to C」に変わってきていますが、そういったことに気付いてすばやく行動すれば、5年後、10年後も私たちが世の中に変化・進化を起こすような企業であり続けられるはずです。

特に今回皆から提案として出てきた、Direct to Consumerのプラットフォームを作るという考えは、私の中でビジネスの原点になっていたもので、将来的にここを目指していきたいと思い出させてもらいました。この新たな事業をなんとしても実行し成功させるために、どのような人材とどのくらいの期間をかけてやっていくのか。資金調達のために、銀行や投資家、ベンチャーキャピタルに向けてどのようなアクションが必要なのか。
そういった次のステップに向けた自分の課題も見えてきたので、今後取り組んでいきたいと思っています。

――これからも世の中の変化をチャンスに変え、更なる変化を生み出す挑戦を続けられることと思います。
それでは最後に、今後弊社に期待されることがあれば教えてください。

高橋様:まずはリーダー陣の中で、今回つくり上げたものをしっかり継続して浸透させたいと思っています。
加えて、より強い組織になるためには、今後リーダー層に限らずメンバーも一丸となったチームビルディングが必要になると思うので、同様のプログラムづくりやご助言をお願いできたらと思います。

ホ様:fulloutさんとのお付き合いも継続していけるように、「半年後に、今回やったことが根付いているか」「それをどう評価するか」などの視点で、ぜひ新たな取り組みに向けたご提案をいただきたいです。より強い組織づくりのために今後もお力をお借りしたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

※本記事は、2021年7月21日に行われた取材を元に制作しております。